株神通信

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ブル相場はどこまで続くのか?

株式市場の上昇が止まらない。


7/22(金)の日経平均は27,914円で着地。週ベースで+1,126円と金融引締め・インフレ相場とは思えない程上昇相場が続いている。まだ利上げやQT(量的引締め)が6月に始まったばかりだというのにすでに底打ち観測すら出ているが、そこまで楽観視してはいけない。いくつかそのように考える材料がある。



①利上げやQTは始まったばかり
今月27日にFOMCが開かれるが、まず間違いなく75BP利上げは行われる。6月に約27年ぶりとなる75BPの金利引き上げを決めたが、今回も75BPだろう。


もし100BP(1%)利上げだったら市場は大混乱だろうが、それは起こらないと思われる。パウエルは必ずマスコミを使って市場に事前に悪材料を織り込ませる。今回はそれがないため、既定路線通りの75BP上げで着地すると思われる。


とはいえ利上げ、QTはまだ6月に始まったばかりだ。今後金利が上がり、流動性が低下する状況の中、株価が反転し上昇トレンドに乗るとは考え辛い。



②今回のインフレは供給要因
そもそもなぜ急激に利上げしているかというと、インフレが原因である。コロナのせいでサプライチェーンが滞り、工場が稼働していない(特に中国をはじめとしたアジアの工場)。しかし欧米ではすでに経済活動は100%再開しており、モノの需要と供給のギャップが9.1%のインフレにつながっているわけだ。


今回のインフレは歴史的に見ても珍しく、供給主導のインフレとなっている。つまり工場が稼働しない限りインフレの根本的解決はできない。もちろんロシアウクライナ戦争など別要因も折り重なっての9.1%であるため、これが天井だと思いたいが、そもそも工場を動かさなければ金利を上げて需要を引き締めたところでインフレ問題は解決しない。従って現在の市場のインフレに対する反応は楽観的過ぎると考える。




③景気後退→デフレシナリオ
インフレの次は景気後退だ。インフレ抑制のために金利を上げ続けると当然人々は物を買わなくなり、企業は設備投資を渋るようになる。従って不景気になるわけだ。「ビッグショート」でおなじみのマイケルバーリは「インフレの後はデフレが来る」と言っている。つまり不景気に陥って人々がものを買わなくなった結果、逆にモノの値段が下がるという予想だ。今の過度なインフレからデフレになるという非常に大胆な予想であるが、彼が言うと説得力が増す。つまり今回のインフレを金利で抑える為には、それだけ金利を引き上げる必要があるということだ。



④押しが甘い
コロナ禍のマーケットを見直してみると、株式市場は2020年3月に底値を付け、21年2月に高値をつけた。ダウは23,643ドル→35,402ドル(+49.7%)日経平均は16,358円→30,714円(+87.7%)と大幅に上昇した。これはご存知の通り金利を引き下げたことと、紙幣を刷りまくって流動性を供給したことが原因である。過剰流動性の市場では何でも上がるので、金と株と債券価格が同時に上がるというようなことも頻発した。


しかし現在はこの両輪を外すと言っているのである、下がるに決まっている。しかも現時点でダウは17%程度、日経平均に関しては10%も押していない。もちろん日経平均は日銀&年金の流動性供給部隊がバックについている事を考慮する必要があるが、中長期的な目線は下だ。まだまだ押しが甘い。


つまり今週の上昇はインフレ懸念→景気後退の間に起こった一時的なリバウンドである、と考える。なので中長期的な目線は変わらず下。もちろん今後のシナリオが変わる可能性はあるのでマーケットを注視していく必要がある。例えば、今週の上昇は明らかに大口機関の買いが入っている。28,000円を超えて6月に付けた高値28,389円を捉えるのではないか。テクニカルが機能しない今日この頃、柔軟に対応していく事が重要であろう。




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